アートとコーヒー

青山において、カフェは主役級の輝きをもって堂々と存在しています。ひとつひとつが独立した存在で、それだけで集客に足る魅力を放っています。しかしその中では珍しく、大きなコンセプトの一部として機能しているカフェがあります。スパイラルカフェです。

表参道駅を地下から抜けてすぐにあるスパイラルカフェは、スパイラルという建物の中にあるお店です。スパイラルは、アートやホール、レストランやバーなどがひとつになった複合施設で、今見ても大変お洒落に見えるデザインをしていますが、なんと1985年に誕生したというから驚きです。いまでこそ、デザイン的な建築を目にする機会は多くなってきましたが、設立当時はさぞ前衛的な建物だったに違いありません。ここでは「生活とアートの融合」をコンセプトに、同じ建物の中に、ギャラリーや多目的ホールだけでなく、生活雑貨ショップやサロンまでもが同居しています。そこで、現代美術や展覧会、各種イベントが催されて、より一層のアート的な相互作用を生み出すのです。

例えば現代美術の企画を見に行って、アーティスティックな生活雑貨を購入し、コーヒーを飲みながらで一休み、という過ごし方をすることもあれば、青山・表参道散策で疲れて一休みするつもりで偶然スパイラルに入って、アートな気分を刺激されて展示会を見に行く、というような過ごし方もできます。建物全体で、アートな日常を提供してくれているのです。

このアートな建物の1階には、最も特徴的な吹き抜けの空間があります。そしてその特徴的な空間を背景にして、スパイラルカフェが謙虚に椅子と机を並べているのです。日によっては、カフェライブやディナーライブが企画されおり、アートな場所という魅力を最大限に発揮しています。このお店の価値はお店単体で語るべきではありません。建物自体から発せられるアートな雰囲気や、これからなにをしようか、どんなアートな雑貨を買おうかという期待感までもが、このお店の魅力になっているのです。